ChatGPTで「この会話を読み込めませんでした」が相次ぐ 使いすぎが原因? 実は“会話を読むだけ”でもエラーになる

ChatGPTで「この会話を読み込めませんでした」が相次ぐ 使いすぎが原因? 実は“会話を読むだけ”でもエラーになる

何が起きた?

2026年9月下旬から、ChatGPTで過去のチャットを開こうとすると、「この ChatGPT の会話を読み込めませんでした」などと表示され、会話を開けないという報告が相次いでいます。

同時に「Too many requests」と表示され、しばらく会話へアクセスできなくなるケースも報告されています。

OpenAIの公式ステータスを見ると、9月23日にはPlus・ProでChatGPTの「Conversations」にエラーが発生。さらに9月29日にはChatGPT、Codex、APIなど広範囲で障害が起き、翌30日にもPlus・Proの「Conversations」で再びエラー率が上昇しました。

つまり、「自分だけがおかしい」「ChatGPTを使いすぎたから止められた」とは限りません。少なくとも最近、ChatGPTの会話を読み込む部分そのものが不安定になる障害は実際に複数回発生しています。

簡単にいうと

ChatGPTでは、AIに質問を送る以外にも、裏側でさまざまな通信が行われています。

たとえば昔のチャットを開くだけでも、

「どの会話なのか確認する」
「会話内容をサーバーから取得する」
「途中だった処理がないか確認する」
「現在の状態をブラウザ側へ復元する」

といった処理が必要です。

そのため、AIに質問を送りすぎていなくても、会話履歴を読み込む処理そのものが失敗することがあります。

「Too many requests」という表示も、「GPTを使いすぎた」という意味だけではありません。

実際、OpenAI Developer Communityでは、普通にチャット本文へ質問できているのに、会話一覧を取得する通信だけがHTTP 429、つまり「リクエストが多すぎる」というエラーになる事例が報告されています。

要するに、レストランで「料理を注文しすぎた」のではなく、店員を何度も呼び出す仕組みの方が混雑してしまうような状態もあり得るわけです。

本当に「使いすぎ」が原因なの?

少なくとも、単純に「たくさん質問したから」と考えるのは正確ではありません。

最近報告されている「Too many requests」では、「リクエストが速すぎるため、データを保護する目的で会話へのアクセスを一時的に制限した」という趣旨の表示が出るケースがあります。

ここでポイントになるのが、制限対象が「AIへの質問」ではなく、会話へのアクセスと書かれていることです。

ユーザー側が大量に質問していなくても、ChatGPTの画面が会話履歴や状態を繰り返し取得すれば、短時間に多数の通信が発生する可能性があります。

実際、あるPlusユーザーがブラウザの通信記録を調べたところ、約12.9MBある一つの会話について、復元処理に失敗した後、約12秒ごとに会話全体を再取得していました。

約10分間で46回、合計では約590MBに相当するデータ取得が発生したと報告されています。

これはユーザー自身による技術調査であり、OpenAIが現在の障害原因として公式認定したものではありません。

ただ、「ユーザーが何度も操作しているからリクエストが増える」とは限らず、ChatGPT側の再接続や復元処理によって大量の通信が発生するケースもあることを示す興味深い事例です。

長いチャットほど起きやすい?

ここは「可能性はあるが、断定はできない」というのが正確です。

OpenAI自身、ChatGPTが遅い、固まる、応答しなくなる場合の対処として、「会話が長い、またはやり取りの回数が多い場合は、新しいチャットを開始する」ことを案内しています。

さらに2026年7月30日に発生したChatGPTの会話障害では、OpenAIが詳細な原因を公開しています。

このときは、一部のChatGPT会話が必要とする処理量に対して、利用可能なシステム容量が不足したことが原因でした。

OpenAIはその後、高負荷状態への対策だけでなく、再試行によって負荷がさらに増幅しないための仕組みも改善するとしています。

つまり、すべての会話がサーバーにとって同じ重さとは限りません。

長期間使い続けた会話、大量のやり取りを含む会話、ツールを多用した会話などは、短いチャットより処理が複雑になる可能性があります。

ただし、OpenAIは「何往復以上なら危険」「何MB以上なら問題が起きる」といった具体的な上限を公表していません。

また最近のユーザー報告では、新しく作った短いチャットでも読み込みエラーが出た例があります。

そのため、

「長いチャットだからエラーになった」

と断定するのも間違いです。

より正確には、長大な会話は問題が起きたときに影響を受けやすい可能性があるが、現在の読み込みエラーは短い会話でも発生しているという状況です。

「読み込めない」なら会話は消えてしまった?

これも、必ずしもそうではありません。

先ほどの約12.9MBの会話を調査したユーザーの例では、会話データそのものを取得する通信は正常に成功していました。

それでも、ChatGPTの画面では会話を正常に表示できませんでした。

さらに、そのユーザーが後からChatGPTのデータエクスポートを取得したところ、画面上では壊れて見えていた会話も、エクスポートされたデータには完全な状態で残っていたと報告しています。

つまり、

「会話を読み込めませんでした」=「会話データが消えた」

とは限りません。

データはサーバーに残っているものの、

「途中の処理状態を復元できない」
「ブラウザ側が正常に表示できない」
「再接続処理が失敗している」

といった理由でアクセスできなくなっている可能性があります。

OpenAI側も10月1日、履歴の読み込みが遅かったり途中で途切れたりした場合に、ChatGPT.comでチャットを再び開けるようにする修正を実施したと説明しています。

ただしOpenAI Supportは、その修正について、「Too many requests」の問題は対象外とも説明しています。

このことからも、現在ユーザーがまとめて「会話を開けない」と感じている現象には、一つではなく複数の原因が混在していると考えた方がよさそうです。

対処としてOpenAIが案内しているのは、ページやアプリの再起動、新しいチャットを開始すること、拡張機能やVPNを一時的に無効化すること、別のブラウザやネットワークを試すことなどです。

特に重要な長期作業をChatGPTで続けている場合は、一つのチャットだけに情報を蓄積し続けるのではなく、区切りのいいところで新しいチャットへ内容を引き継ぐ運用も現実的です。

今回の相次ぐエラーについて、現時点で「ヘビーユーザーを意図的に制限している」という証拠はありません。

少なくとも確認できる範囲では、「使いすぎた人へのペナルティ」というより、会話履歴の取得・復元・レート制限・サーバー容量など複数の問題が重なっていると見るのが妥当です。

情報源